認知症について

認知症チェック

日常生活で、こんな変化はみられませんか?

以下のチェック項目は認知症の方によくみられる症状をまとめたものです。

もの忘れが目立つ
image ついさっきの出来事を忘れる
image 置き忘れがひんぱんにある
image 行事・催し物に出ても、あとで忘れている
image 食事したことを忘れている
  鍋などを火にかけたまま忘れている
今までできたことができなくなる
買い物
image 必要なものを必要なだけ買えない
image 同じものばかり買ってしまう
料理
image 同じ献立が続く
image 食事の用意に時間がかかる
家計
image おつりの計算に戸惑う
image お金の管理ができない
道具
image 家電の操作がうまくできない
人柄や性格がいつもと違う
取り繕い
image 失敗を指摘されると必要以上に怒る
image ミスを隠そうとする
興味や関心の低下
image 世間のことやニュースに関心をもたない
image 日課や趣味をしなくなる
うつ状態
image 元気がない
image 意欲がなく、ぼんやりしていることが多い
妄想
image しまい忘れをして、物が盗られたという
時間や場所で戸惑う
image 曜日がわからない
image 日付がわからない
image 季節を間違う
image 外出して道に迷ったりする
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いくつか思い当たることはありましたか?
もし、思い当たることがあればお気軽にご相談ください!

※参考資料:十束支朗「認知症のすべてP23(医学出版社2010)

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「認知症」とは

「認知症」とは、「正常に発達した知能(脳)に何らかの原因で記憶・判断力などの障害が起き、日常生活がうまく行えなくなるような病的状態」を言います。
高齢者の方に多く見られますが、単なるもの忘れとは違って、れっきとした脳の病気です。

加齢による物忘れ・認知症による物忘れ
加齢による物忘れ 認知症
一部を忘れる
記憶の帯はつながっている
全体を忘れる
記憶が抜け落ちる
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  • ・体験の一部を忘れる
  • ・ヒントがあれば思い出せる
  • ・体験したこと自体を忘れる
  • ・ヒントがあっても思い出せない

たとえば・・・

  • ・食事の献立が思い出せない
  • ・外出先で人と会ったことを忘れる

たとえば・・・

  • ・食事をしたこと自体を忘れる
  • ・外出したこと自体を忘れる
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認知症の症状とは?

症状が進行し、明らかになってきた段階での、認知症の症状には脳障害そのものが引き起こす「中核症状」と、環境変化や身体状況、介護者の関わり方などが関与して引き起こされる「行動・心理症状」があります。

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中核症状

「中核症状」は脳の神経細胞の働きが低下することによって、直接起こる症状です。
具体的には、さっきおきたことも忘れてしまう記憶の障害や道筋を立てて考えることができなくなる判断・推理の障害などです。

□ 記憶障害 :最近の記憶や出来事、行動を忘れる
□ 見当識障害 :現在の日付、時間、場所、人物などがわからなくなる
□ 失 認 :品物などが何かわからなくなる
□ 失 語 :モノや人の名前が出てこなくなる
□ 失 行 :服の着方や道具の使い方がわからなくなる
□ 実行機能障害 :段取りや計画がたてられなくなる
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行動・心理症状

「行動・心理症状」は認知症の経過に伴い、周囲の人との関わりの中で起きてくる症状です。
ご本人の置かれている環境や、人間関係、性格などが絡み合って起きてくるため、症状は人それぞれ異なります。

□ 妄想 :財布や物が盗まれたなどと言う「もの取られ妄想」など
□ 幻覚 :現実にはないものを見たり聞いたりする(幻視が多い)
□ 不安、依存 :いらいらして落ち着かなくなる、一人になると落ち着かない、
一人ではいられない
□ 徘徊 :道順を覚えられないことから道に迷う、目的もなく歩き回る
(アルツハイマー病に多い)
□ 暴言、暴力 :納得がいかないことなどがあると大声を上げたり暴力をふるう
□ 抑うつ :意欲の低下、何もしたくなくなる、気分が沈んで晴れ晴れしない
□ 介護拒否 :入浴や着替えなどを嫌がる
□ 異食 :食べれないものでも口にする
□ 不眠 :夜寝れなくなる、反動で日中にうたた寝をするようになる
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認知症の種類

認知症の原因となる代表的な病気には次のようなものがあります。
日本では「アルツハイマー型認知症」、「血管性認知症」、「レビー小体型認知症」が3大認知症と言われており、中でも最も多いのが「アルツハイマー型認知症」です。

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アルツハイマー型認知症

欧米と同様に、我が国でもアルツハイマー型認知症が最も多く、年々増加する傾向にあります。アルツハイマー型認知症は、アミロイドβというタンパクが脳に蓄積して神経細胞が減少し、脳の萎縮が進行する病気です。症状としては、記憶力の低下で始まり、日付・曜日や居場所がわからなくなる見当識障害、料理などの作業の要領が悪くなる実行機能障害、判断力の低下、言葉が円滑に出ないなどの中核症状がみられます。さらに、イライラして怒りやすくなることや、ものを盗まれたと主張する被害妄想などの行動心理症状が現れることがあります。
アルツハイマー型認知症は、いつのまにか始まり、緩やかに進行していくのが特徴です。
人によって進み方や症状の現れ方は様々ですが、おおむね次のような経過をたどります。

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レビー小体型認知症

レビー小体というタンパクが脳に蓄積する病気です。物忘れのほか、特有の症状として、転びやすくなるというパーキンソン症状や、実際には存在しないものや人物が見えるという幻視、人物誤認などの症状が徐々に進行します。調子の良い時と悪い時の変化が大きいといわれています。

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前頭・側頭型認知症

前頭葉や側頭葉の委縮が徐々に進行する病気です。人格や行動面の障害がより目立ち、同じ行動を繰り返す、自分勝手な行動をとる、人が変わったようになる、反社会的な言動を示す、言葉の意味が分からなくなる、言葉がでなくなるなどの症状があります。また、65歳未満で発症することが多いといわれています。

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脳血管性認知症

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳卒中が原因で起こる病気です。
比較的急速に発症し、段階的に悪化します。脳卒中後遺症の、半身麻痺や、歩行障害、言語障害を伴うことが多いです。
脳卒中を繰り返すとそのたびに悪化します。脳卒中の再発予防により進行を抑制できるといわれています。

これらの病気は、それぞれ、治療法や介入方法も異なり、専門医による鑑別と治療方針の策定が望ましいと考えられています。
これらの症状に思いあたることがあれば認知症疾患センターやかかりつけ医にご相談ください。

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